失敗談のその先へ。グッドビーが目指す技術選定の考え方

IT業界は常に新しい技術の登場とともに進化し続けています。
ソフトウェアエンジニアにとって「新しい技術に精通し使いこなせることが一種のステータスである」という側面もあるでしょう。
毎年発表されるトレンド上位の言語やフレームワーク。それらを使っていることで得られる優越感や満足感。一方で、時代遅れと呼ばれる言語で開発していると、後ろ指をさされる。これも現実です。
エンジニアとして成長するために、技術への探究心は欠かせません。常にアンテナを張り、世の中の流れを取り込み続けられる人材が、企業にとって貴重な存在であることも事実です。
しかし、その技術へのこだわりが、そのままお客様の満足度に直結するかというと、必ずしもそうではありません。お客様が求めていること、その時々で本当に大切にすべきこと。私たちは、そこにフォーカスすることを何よりも大切にしています。
私たちはこれまで、いくつものプロジェクトを通じて技術選定を行ってきました。その中には、結果として「もっと別の選択肢があったのではないか」と感じるケースもあります。
先週の記事では、そうしたプロジェクトの失敗談を率直にお伝えしました。今回はその「その先」として、私たちが失敗から何を学び、グッドビーとしてどのような技術選定の考え方を持つに至ったのかを整理してお話しします。
技術選定は「正解探し」ではない
技術選定というと、「どの言語が最先端か」「どのフレームワークが流行っているか」といった“比較”に目が向きがちです。
しかし実際のプロジェクトでは、技術単体に正解は存在しません。同じ技術であっても、
- プロジェクトの規模
- 期間
- チーム構成
- お客様のITリテラシー
- 運用フェーズの体制
これらが少し違うだけで、最適解は簡単に変わってしまいます。私たちが失敗から学んだ最も大きな教訓は、「良い技術=良いプロジェクト」ではないという、当たり前でありながら見落としがちな事実でした。
お客様にとっての“価値”から逆算する
私たちが技術選定で最初に確認するのは、「このプロジェクトにおいて、お客様が本当に成功と感じる瞬間はどこか」という点です。
- 早くリリースできることか
- 安定して長く使えることか
- 将来、内製化できることか
- 運用コストを抑えられることか
この問いに答えないまま行う技術選定は、エンジニア目線では魅力的でも、お客様目線では的外れになるリスクをはらみます。
技術はあくまで価値を実現するための手段。この原則を外さないことを、私たちは最も重視しています。
「できる」よりも「続けられる」を選ぶ
失敗したプロジェクトを振り返ると、「作れるかどうか」に重きを置きすぎていたケースが少なくありませんでした。
- 高度だが属人化しやすい技術
- 情報が少なくトラブルシュートに時間がかかる技術
- 将来の保守を十分に考慮していない構成
短期的には魅力的でも、中長期で見るとお客様や運用チームの負担になる選択だったのです。その反省から、私たちは「続けられるか」「引き継げるか」「理解されるか」を、技術選定の重要な判断軸として重視するようになりました。 派手さはなくとも、結果としてプロジェクトの価値を支え続ける選択のほうが、はるかに重要だと考えています。
技術選定は、人を育てる場でもある
私たちが目指しているのは、「単に技術に詳しいだけのエンジニア」ではなく、「技術を使って価値を生み出せるエンジニア」です。新しい技術を学び続ける姿勢は、もちろん重要です。しかしそれと同時に、
- なぜこの技術を選ぶのか
- その選択は誰のためのものか
- 将来にどんな影響を残すのか
こうした問いに向き合えることこそが、プロフェッショナルとしての力だと考えています。プロフェッショナルとして知識と技術の習得を継続し、その先を意識した人材こそがグッドビーが求める真のプロフェッショナルなのだと考えます。技術選定は、単なる設計作業ではありません。それは意思決定の質を鍛えるトレーニングの場でもあります。
私たちは日々のプロジェクトを通じて、「作れるエンジニア」ではなく、「判断できるエンジニア」「任せられるエンジニア」を育てていきたいと考えています。
失敗を語れる会社であり続けるために
技術選定の失敗は、誰か一人のミスではなく、判断のプロセスそのものに原因があることがほとんどです。だからこそ私たちは、失敗を隠さず、共有し、次に活かす文化を大切にしています。今回お伝えした技術選定の考え方も、完成形ではありません。プロジェクトを重ねるたびに、少しずつアップデートされていくものです。
ただ一つ変わらないのは、「技術よりも先に、お客様を見る」という姿勢です。失敗談のその先にあるのは、技術論ではなく、価値創出のための意思決定。
私たちはこれからも、その判断の質を磨き続けていきます。