うちの会社、何かがおかしい?創業10年目で取り組んだ社内改革プロジェクト
グッドビーは2023年に創業10周年を迎えました。わずか7名でスタートした会社も、今や社員が40名以上に増え、順調に成長を遂げてきたと思っていた頃…、少し異変が起きていることに気づきました。社内には少し活気が欠け、若手を中心に将来への不安や目的を見いだせないという声が聞かれ、その結果、離職者も増えてきました。
「うちの会社、 何かがおかしい?」と感じたことから、この社内改革プロジェクトがスタートしました。代表の前田は語ります。
前田 裕章
代表取締役
T.M.
ソリューション技術部(11年目)
M.S.
コミュニケーションサービステクノロジー部(5年目)
N.U.
コミュニケーションサービステクノロジー部(3年目)
H.T.
コミュニケーションプランニング部(3年目)
Y.T.
アプリケーションテクノロジー部(2年目)
前田:「創業時は同じ想いを持ったメンバー7名で会社をスタートしたということもあって、他社には負けないというモチベーションや、そこから出る熱量で、がむしゃらに仕事をしてきました。この熱が当社の仕事や会社運営の“軸”になっていて、この“軸”がメンバーの共通認識になっていたんです。創業5年ぐらいまでは少人数だったこともあり、この意識は受け継がれていたのですが、ここにきて『何かがおかしい?』と気づき始めたわけです。今まで『当たり前』だと思っていた企業文化や行動規範が、新しい社員の中で共有化できていない、新しい考え方に基づいた人たちで構成しはじめている、と思いこのまま放置しておくと業務のパフォーマンスにも影響が出てきますし、将来的に取り返しのつかないことになるのではないかという危機意識もあって、まさに創業10年目の2023年に社内改革に取り組みました」
まず、役員と創業メンバーが集まり、メンバーが共通して持つ“軸”への認識と、社員間でのズレや違和感を整理。その上で、すべての世代の社員が共通して意義を感じられる「新しい会社の“軸”」をつくっていくことにしました。
前田:「今まで『当たり前』だと思っていたことは、もう『当たり前じゃないんだ』と認識するところから始めないといけないと思ったわけです。どの世代が聞いても納得できる“軸”をつくり、わかりやすい言葉で明文化していく必要があると考えました」
社内改革プロジェクト始動。VisionとMissionを制定。
プロジェクトのメンバーが招集されたのは2023年9月。中堅、若手の5名のメンバーが集められ、そこから議論を重ねていきました。
T.M.:「私はプロジェクトメンバーの中では、唯一、創業時を知るメンバーなので、その想いを伝えつつ、今の若手たちの意見も聞き、そのギャップを埋める役割を担ってきました。普段はなかなか言葉にしづらい、みんなの意識が明確になってきたのはよかったですね」
プロジェクトリーダーはM.S.さん。2023年9月から2024年4月まで、ほぼ毎週のようにメンバーは集まり、議論を重ねていきました。
M.S.:「まず、この会社の良いところは何か?社員の良いところは?悪いところは?という議論からスタートし、我々の資産は何か?強みは何か?というところを探っていきました。
そして、我々が大事にしてきたもの、大事にしていきたいものは何かを議論し、我々の存在意義について考えました。さらに、我々はどこに向かうべきか、グッドビーの未来像を考え、それらを整理し、『Goodbee Vision』という言葉に集約しました。さまざまなワードが出てきたのはいいのですが、これをシンプルにわかりやすい言葉でまとめるのは難しく、ここがいちばん苦労したところですね」
そして、完成したのが『Goodbee Vision』です。『Vision』は、認識しやすく、印象に残りやすいように、デザイン化され、今後、社内資料や企画書、提案書など、さまざまな場面で使用していく予定です。
M.S.:「次に『Vision』達成のために、何をすればよいのか、何が必要かを考え、社内向けにミッションを作成することにしました。技術職、営業職、管理職、全体と、それぞれのミッションを洗い出し、重要度を整理して厳選し、10のミッションにまとめました。それが、『Goodbee’s 10 Missions』です」
M.S.:「プロジェクトがスタートしてからVisionとMissionが完成するまで約4ヵ月間、さまざまな意見を聞き、何が重要なのかを考えてきましたが、会社側の立場に立って考えるのが難しかったですね。社員の立場としてはわかるけど、では経営的な視点から見るとそれはどうなのか、とか。いろいろと考えさせられ、勉強になりました」
Y.T.:「私も入社してまだ2年ぐらいなのですが、創業時のメンバーや役員がどのような想いでやってきたのか、どのようにして会社としても成長してきたのかを知ることができたのでプロジェクトに参加してよかったと思います」
N.U.:「私は新入社員でグッドビーに入社して3年目なので、最初はわからないことだらけでした。また、私自身、会社に不満がなく満足していたので、どう変えていけばよいのかを考えるのが逆に難しかったです」
H.T.:「私もM.S.さん同様、会社側の目線で物事を見るということが新鮮で、いろいろな発見がありました。やはり聞いてみないとわからないし、話さないと伝わらないんだなということが感じられた数ヵ月間でした」
働く喜びを感じられるような施策や制度づくり。
次に取り組んだのは、Visionの達成やMissionを実施しやすくするために、働きやすさや働く喜びを感じられるような施策や制度づくりです。
例えば、「スキルアップのための制度」や「楽しく健康的に働くための制度」など、5つのカテゴリーに分け、社員からアイデアを募り、制度化や運用に向けて、現在進行形で進めています。その一例として、すでに運用が始まり、好評なのが「Thank You Point 制度」です。
H.T.:「この制度は、『本当はありがとうって言いたい』という気持ちを尊重して、社員同士でポイントを贈り合うことができるという制度なんです。具体的にはSlackを使ったシステムになっていて、AさんからBさんに感謝の言葉とともにポイントを贈呈します。すると、獲得したポイントは1ポイント50円に換算されて、毎月のお給料に反映されるという仕組みになっているんです。このやり取りは全社員に公開されていて、誰が誰に何のお礼でポイントを贈ったのかが見られるようになっています。これによって、社内のコミュニケーションが可視化されて、モチベーションアップにもつながる、とてもいい制度だと思っています」
前田:「社内改革プロジェクトでは、みんなが頑張ってくれて、Visionができ、Missionが制定されましたが、今後はこれを浸透させていかなければなりません。そこで、次は『社内浸透普及プロジェクト』を立ち上げて、VisionやMissionを浸透させる施策を考えてもらっています。
社内改革はまだ始まったばかりです。社員全員にVisionやMissionを自分ゴトとしてとらえてもらえるように、ワクワク感や意義として感じてもらえるようにしていかなくてはなりません。そして、永きにわたり会社の文化として根付き、引き継がれていくように、その時々にあった、VisionやMissionが今後も生まれるような仕組みづくりを行っていきたいと思っています。まだまだ“To Be Continued”な活動なので、今後もまたご報告していきたいと思います」