FUTURE WORKS
2025.02.12

IT FORCE株式会社/お客様インタビュー

2006年創業のIT FORCE株式会社は、大手ECサイトのシステム開発からスタートし、2014年からはSalesforceのコンサルティングパートナーとして導入支援やクラウドサービスの提供も展開。2020年より自社製品の開発にも取り組み、2022年に介護タクシー予約「よぶぞー」のサービスをスタート。グッドビーは2023年3月にリリースした「よぶぞー」の予約アプリの開発からお手伝いさせていただいています。「よぶぞー」のサービスは社会課題を解決する優れた取り組みと評価され、2024年10月に科学技術振興機構の「STI for SDGs」アワードにおいて優秀賞を受賞しました。 今回は、介護タクシー予約アプリ「よぶぞー」の開発の経緯について、デベロップメント本部・よぶぞー事業部の事業部長、坂本亮さまにお話を伺いしました。

IT FORCE株式会社:
https://itforce.co.jp/
介護タクシー予約よぶぞー:
https://yobuzo.jp/


坂本 亮さま
IT FORCE株式会社/デベロップメント本部/よぶぞー事業部/事業部長

鈴木昌志
グッドビー株式会社/取締役 CTO

C.S.
グッドビー株式会社/デザイン部/アートディレクター


予約が取りにくかった介護タクシーの課題をITの力で解決。

鈴木 改めまして、「STI for SDGs」アワード優秀賞の受賞、おめでとうございます。私たちもこのようなお仕事に携わらせていただき、とても誇りに思っています。

坂本 グッドビーさんには、世の中的にも初めての取り組みに対して、いろいろと試行錯誤していただいた中で、このような評価をいただくことができて、とても良かったと思っています。

鈴木 今日は「よぶぞー」のアプリ開発についてお話しいただきたいのですが、まず、なぜシステム受託開発やコンサルティング事業が中心の御社が介護タクシーの予約サービスという事業に取り組まれたのか、そのあたりからお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?

坂本 弊社では2020年頃から自社製品の開発に取り組んでおり、「デジタル技術を活用して、社会と人々の生活を変革する」というミッションを掲げて、自社サービスを通じて社会貢献ができないかと考えていました。その頃、2024年のドライバー不足の問題、2025年の超高齢化社会の問題が叫ばれていまして、それらを掛け合わせたときに、介護タクシーの課題が浮かび上がってきたんです。
それまで介護タクシーの予約は基本的に電話で行っていたのですが、一般のタクシーとは違って配車センターなどが整備されていなくて、個人事業主のドライバーさんが直接予約を受けているケースが多かったんです。なので、運転中だったり、サービス中だったりで、なかなか電話に出られず、「予約が取りにくい」という問題がありました。また、利用者からは「利用したいんだけど、どこに電話したらいいのか分からない」という声も多く聞かれたため、両者の課題をITの力で解決できないかと考えたのが、このプロジェクトのスタートでした。

鈴木 最初はWebサイトでサービスをスタートされたんですよね。

坂本 そうですね。2022年の5月にサービスを開始したのですが、なかなか登録者が増えず、利用者を増やすためにはアプリが必要不可欠ということで、同年の10月からグッドビーさんにも入っていただいて、アプリの開発をスタートしました。

鈴木 坂本さんとは前職の頃にお仕事をさせていただいたことがあったのですが、今回、お声がけいただいて、「よぶぞー」のアプリ開発のスタートから携わらせていただけたのは嬉しかったです。

坂本 プロジェクトをスタートするにあたって心がけたのは、まず、介護タクシーという業界の特殊事情を理解してもらうということでした。我々も当初は介護業界の知見がなく、ヒアリングなどを行いながら手探りでスタートしたところもありますので、まず、そのあたりの事情をグッドビーさんにも理解していただこうというところから始めました。 利用者さんだったり、ドライバーさんだったり、ターゲットの属性などを最初にきちっとすり合わせできたので、その後はあまりブレることなくスムーズに進行できたと思います。

改善を繰り返して、使いやすさを追求し、利用者が急増。

鈴木 まず最初に、タタキのデザインを作って、それをベースにいろいろと議論を重ねながら作り上げていきましたよね。色味はどうしようとか、文字の大きさはどうだろうとか、とにかく使いやすさを第一義に考えて作っていきました。でも、御社のターゲット分析が明確だったので、とてもやりやすかったですね。

C.S. そうですね。利用者さんは高齢の方なんですけど、実際に予約される方は、そのご家族だったり、ケアマネージャーさんだったり。でも、その方たちも、そんなに若くなくて50〜60代だったりするので、文字は大きくしましょうとか、入力させるよりも選択ボタンにしましょうとか、アイコンをうまく使って直感的に理解できるようにしたりとか、とにかく分かりやすいデザインを心がけました。

坂本 UIも状況を見ながら何回も変えていって、より使いやすいデザインを追求していきましたよね。さらなる利便性が期待できると思って作ってみても、想定していたよりも改善効果が出ないため、やむなく元に戻したり…、改善、改善の繰り返しでした。グッドビーさんはそれに付いてきてくださったので、本当に感謝しています。やはり最初からコンセプトを理解していただいているので、改善を繰り返しても、トンマナ含め大枠の部分でのブレがなく進められたと思います。

鈴木 つねに「いいものにしていこう」という意識がチーム全体にみなぎっていましたよね。これは使いやすいだろうと作ってみてもダメで、ボタンを入れ替えたら数字が上がったり、とにかくやってみないと分からない。果敢にチャレンジして、潔く変更していくというのが、優れたプロダクトを制作するうえで重要なことなのだと、改めて勉強になりました。

坂本 そのおかげもあって、1年で会員数が約8倍になって、2024年10月時点で累計アプリ登録数5,000人を突破することができました。
体制上、私の独りよがりになりそうなところを、グッドビーさんはいろいろと前向きな意見を言ってくださるので助かっています。最近では「それでいいんですか?」と逆に私が突っ込まれることもあったりして(笑)、そのあたりの関係性もいいなと思っています。

鈴木 プロダクトだけでなく、アプリの利用状況の計測の方もお手伝いさせていただきました。誰がどの画面でどのような操作を何回しているのか、アプリに計測タグを埋め込んで計測したり、そのあたりも一緒にやらせていただいて、私たちも勉強になりました。

坂本 無理言って計測の仕組みも組み込んでいただいたんですけど、おかげで戦略が立てやすくなりました。どういうルートで入ってきているのかとか、iOSなのか、アンドロイドなのかとか、その情報をベースにさまざまな改善ができますからね。一部の計測の仕組みは特殊なことをやらないと計測できないと聞いていたのですが、 グッドビーさんがいろいろと調べてくれて、計測できるようになったので助かっています。

利用者だけでなく、ドライバーの視点も考えて開発。

鈴木 「STI for SDGs」アワードの受賞はチームにとっても励みになりましたが、どのようなところが評価されたのでしょうか?

坂本 介護タクシーに特化したという点もあるとは思うのですが、利用者さんだけでなくドライバーさんの視点からもしっかり考えられて開発されているという点をとくに評価していただいたようです。
実は私たちもそこに一番こだわっていまして、ECサイトで型番商品を買おうとした場合、どこで買っても商品は同じだと思うのですが、介護タクシーの場合は個人事業主の方が多いので料金やサービスが統一されていないんです。なので、ドライバーさんのことをどのように紹介すれば利用者さんに安心して納得して使っていただけるかを考えました。
私たちは“人と人をつなぐ”ということをコンセプトにしているのですが、一番分かりやすいのは「指名予約機能」ですかね。一度利用して、また頼みたいと思ったときに、指名予約ができるようにした部分はかなりこだわりました。例えば、ドライバーさんの名刺にQRコードを印刷していただいて、そこから呼び出すとアプリがない方にはアプリをダウンロードすることができて、ダウンロードしたらもうそのドライバーさんが選ばれている状態になっているとか。グッドビーさんにも苦労して作っていただいたところだったので、そのあたりの取り組みを評価していただけたのが嬉しかったですね。
「指名予約機能」はこだわって作ったのに、最初は全然使われなくて苦労しました。でも、繰り返し啓蒙を行った結果、今や半分以上が指名予約になっています。ドライバーさんも指名予約されると喜ばれますし、これが一番作って良かった機能かなと思っています。

C.S. 事業者向けのサイトも作らせていただきました。利用者向けのサイトがグリーン基調だったので、こちらはブルーにして、ドライバーさんのメリットも分かりやすく整理して紹介させていただきました。事業者の申し込み募集のページも作らせていただきましたが、その後、反応はいかがですか?

坂本 おかげさまで今や事業者さんの大半がこのサイト経由で申し込んでいただいています。事業者さんの現場の声を聞くカンファレンスも定期的に開催しているのですが、個人事業主の方が多い介護タクシー業界では大きな協会などがなく、横の繋がりを作りにくいことから、同業者と繋がれて成功事例を共有できるのがありがたいとの声もいただいています。

鈴木 利用者も事業者も順調に増えていますが、坂本さんとしては目標に対して今どれくらいの達成具合なんですか?

坂本 利用会員数が5,000人を突破して、事業者の登録数も100社を超えましたが、まだまだ一合目目ぐらいだと思っています。今後、さらに拡大していかなければと思っているのですが、そのためにはアプリの機能とか開発云々というより、介護タクシーそのものの認知を広げていかなければならないと考えています。

鈴木 そうですよね。実際に利用しようと思っても、敷居が高いように感じられている利用者さんもまだまだ多いみたいですね。

坂本 料金はどれぐらいとか、福祉タクシーと介護タクシーの違いとか、旅行にも使えるんだよとか、そういった記事をサイトの方でも紹介していて、介護タクシーをもっと気軽に使っていただけるような啓蒙活動を積極的に行っていきたいと思っています。「移動困難者0(ゼロ)」の社会になることが私たちの究極の目標なので、そのためにはまだまだチャレンジしていくことはあると思っています。

C.S. そうですね。私たちも啓蒙活動の方でもお手伝いできるように、いろいろとアイデアを提案させていただきたいと思います。

坂本 グッドビーさんのいいところは、デザインの部署とシステム開発の部署の両方を持っているところだと思うんです。たいていの場合、デザインと開発が別々で、そこを我々が繋いでいかないといけないのですが、それだと当然手間もかかりますし、何かしら伝達が漏れたり、コンセプトが伝わらなかったりということが起こりがちなんです。グッドビーさんにはそれがなくて、御社内で意識統一して進めてくれて、技術検証まで行った状態で提案してくれるので、とても助かります。そこはグッドビーさんの強みだと思っています。

鈴木 大変ありがたいお言葉を最後にいただきまして、今後とも末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。

この記事を書いた人

コミュニケーションプランニング部

H.T.

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