【グッドビーのピープルマネジメント】Episode2「評価されるために働く」から「成長するために働く」へ

プロローグ
Episode1では、「これからの会社に必要なのは、仕事を管理する仕組みだけではなく、人が成長する仕組みではないか」という問いを投げかけました。
では、私たちはなぜ働くのでしょうか。
生活のため。
やりがいを得るため。
誰かの役に立つため。
そして、自分自身が成長するため。
その中で、「評価されたい」と考える人もいるでしょう。
一方で、評価されることよりも、自分の成長や仕事の面白さに価値を感じる人もいます。「評価されることの意味は、人によって違う」。それは、成長についても同じなのかもしれません。
では、評価されることと成長することには、どのような関係があるのでしょうか。
評価されることの意味は、人によって違う
「評価されたい」と考える人がいます。
評価されることで、自分の努力や成果が認められたと感じる。
次の挑戦への励みになる。
自分の成長を実感できる。
一方で、評価そのものに大きな価値を感じない人もいます。
自分が興味を持てる仕事に取り組みたい。
新しいことを学びたい。
できなかったことができるようになりたい。
評価されることよりも、成長することに価値を感じる人もいるのです。
どちらが正しいということではありません。大切なのは、「評価されるための行動」を一律に求めることではなく、一人ひとりが何に価値を感じ、何を目指しているのかを理解することです。評価は、これまでの仕事や成果を振り返るための大切な機会です。
しかし、評価されることだけを目的にすると、評価されるための行動を選ぶようになってしまうかもしれません。だからこそ、評価の先にある「成長」にも目を向ける必要があります。
では、「成長」とは何だろう
では、私たちにとって「成長」とは何でしょうか。
新しい知識を身につけること。
できなかったことができるようになること。
より難しい仕事に挑戦できるようになること。
もちろん、それも成長です。
以前は誰かに聞かなければ進められなかった仕事を、自分で考えて進められるようになった。
以前は避けていた仕事に、挑戦できるようになった。
周囲と協力して、より大きな価値を生み出せるようになった。
こうした変化も成長です。
成長の形は、一人ひとり違います。
専門性を高めたい人もいる。
より大きな仕事に挑戦したい人もいる。
人をまとめる力を身につけたい人もいる。
まずは、自分で考えて仕事を進められるようになりたい人もいる。
会社には、会社として目指す方向があります。
自ら考え、行動できる人。
新しいことに挑戦できる人。
周囲と協力しながら価値を生み出せる人。
そうした力は、私たちが目指す「人が成長する会社」において大切なものです。
しかし、成長の形まで会社が一つに決めることはできません。会社ができるのは、「この方向に進みなさい」と答えを与えることではなく、一人ひとりが自分にとっての成長を考え、挑戦できる環境をつくることです。
会社の関わり方も変わる
では、会社は社員一人ひとりの成長に対して、何ができるのでしょうか。
評価制度を整えること。
研修の機会を増やすこと。
新しい仕事や挑戦の機会をつくること。
こうした仕組みは大切です。
しかし、それだけで人が成長するわけではありません。
社員が日々仕事をする中で、最も身近に関わる存在。それが管理職です。
日々の会話。
仕事の任せ方。
挑戦を促す言葉。
失敗したときの向き合い方。
こうした日々の関わり方が、メンバーの成長に大きな影響を与えます。
同じ出来事でも、上司の関わり方によって、その後の行動は変わります。「なぜできなかったのか」と問われ続ければ、失敗しないことを優先するようになるかもしれません。
一方で、
「何を考えていたのか」
「どこで迷ったのか」
「次はどうしてみたいのか」
と問いかけられれば、自分自身の考えを振り返り、次の行動を考えるきっかけになります。
会社が「人が成長する会社」へ変わるということは、制度や仕組みだけが変わることではありません。日々、メンバーと向き合う管理職の関わり方も変わる必要があります。
管理職は、仕事の結果を確認し、評価するだけではありません。
「この人は何を目指しているのか」
「何ができるようになったのか」
「次にどのような経験が必要なのか」
を一緒に考えることも、大切な役割です。
評価するためにメンバーを見るだけではなく、成長を支援するためにメンバーを見る。管理職の関わり方が変われば、メンバーの行動も変わります。その積み重ねが、会社全体の変化につながっていくのではないでしょうか。
会社ができること、できないこと
会社は、成長の機会をつくることができます。
管理職は、メンバーと対話し、成長を支援することができます。
しかし、会社や管理職が、本人に代わって成長することはできません。
成長するのは、本人です。だからこそ、ピープルマネジメントは管理職だけの取り組みではありません。
会社には、成長できる環境をつくる役割があります。
管理職には、メンバーの成長を支援する役割があります。
そして、メンバーには、自分自身の成長に向き合い、考え、行動する役割があります。どれか一つだけでは、成長は生まれません。それぞれが自分の役割を理解し、果たしていくことで、初めて成長できる環境が生まれます。
会社が社員を成長させるのではありません。
管理職がメンバーを成長させるのでもありません。
会社、管理職、そしてメンバー。
それぞれが自分の役割を果たすことで、成長は生まれていくのです。
おわりに
「評価されるために働く」ことと、「成長するために働く」ことは、必ずしも対立するものではありません。
評価されることが、次の挑戦への励みになる人もいる。
自分の成長を実感することが、仕事への意欲につながる人もいる。
大切なのは、評価されることだけを成長の目的にしないことです。
成長の形は、一人ひとり違います。
会社が変わる。
管理職の関わり方が変わる。
そして、メンバー自身も自分の成長について考える。
その積み重ねが、これからの会社をつくっていくのではないでしょうか。
では、私たちは、自分自身の成長にどのように向き合えばよいのでしょうか。次回は、『育ててもらう』から『自分で成長する』へ。自分の成長を誰かに任せるのではなく、自分自身の手で考えていくことについて考えます。